※煉獄編以前から現状に至るまでのヴェルト&カサル要約。

 ヴェルトはモルゲンロート家・モルゲンロート領の唯一の生き残り(魯蔭は旅に出ておそらく永遠に戻ってこないので除外)で、領の復興にあたっている。元々ヴェルトはモルゲンロートの継承者として公にはされておらず、王太子が姉(兄)のトレラントに決まった後の継承争いを避けるため、密かに臣籍降下という形式でフォルモーント姓を名乗っていた。

 迷宮魔境で姉(兄)の霊的な幻と向き合い逝去を確認すると、フォルモーント姓を名乗る必要がなくなったことから、また復興の決意を示すために本来の姓であるモルゲンロートを名乗るようになった。迷宮魔境から持ち帰った資材を元手に新たに人と財を集め、王都ダートゥムとその近郊は国の体を成しているといえる状態まで復興。

 犠牲者の慰霊碑でもある墓を設え毎朝足を運んでいたが、ある朝その墓の前で意識を失ってしまい、そこが現世と死者の世界の境目である墓場であったことが災いして精神だけが煉獄に迷い込んでしまった。肉体は現世では生きていて昏睡状態にある。
 煉獄で精神が肉体に引っ張られる度に存在の確かさが不安定になるため、加えて帰るという意思を阻害する想いが楔になっていることが原因で肉体に戻ることもできずに、煉獄内で本人の意思に反して転移を繰り返していた。企画中盤以降は精神が煉獄に定着を始めたのか転移の頻度が激減し、宿を拠点に生活できる状態に。

 ヴェルトに残っている選択肢は現世に帰るか煉獄に居つくかの二つである。煉獄で出会った人々との関係を断つのが惜しいこと、また獄卒長のカサルがかつての友人であるのではないかという疑問と期待から、このまま煉獄に残るのも悪くないと思ってもいた。

 実際に獄卒長のカサルは、生前にヴェルトと行動を共にしていたことがあり、元々の名をヘルムート・ヒュノフォーゲルという魔法師である。「反英雄」の一人、メイジスローターにより殺害された際、煉獄の時間の流れが現世とは異なることが原因の数百年の時間遡行を経て、誤って煉獄に送り届けられた。以降、前職の管理者に後を託され新たに煉獄の管理者に就任するに至る。

 ヘルムートは将来的にヴェルトに仕えることを前提にモルゲンロートに送られてきた魔法師で、反英雄レオンハルトと魯蔭の最初の戦いで王都ダートゥムが破壊された時、任務のために偶然ヴェルトと隣国に行ってたために助かって、その後別々の主に仕えることになるまで一緒に過ごしていた。

 主が連合へと鞍替えしたことが原因でヘルムートも連合の魔法師として戦場に立っていたが、元々仕えるはずであった条約への義理立てや躊躇などから一度も人を殺めたことはない。偶然魯蔭が条約勢力軍に助力していた戦いの最中に、戦場に現れた白と黒の竜の姿が魯蔭のものであると気付かぬまま、その目の前でメイジスローターに殺された。そのため、カサルは数百年に渡って煉獄で過ごしているにも関わらず反英雄のことと絶望期のはじまりを知っている。

 魯蔭がヘルムートの遺体を王都ダートゥムの跡地に埋葬している現場に遭遇したヴェルトは、それ以降異聞終了まで魯蔭に同行。「自分以外の唯一のモルゲンロートの生き残り」であると思っていたヘルムートがメイジスローターによって殺されたことを魯蔭に知らされる。

 濁流によって跡形もなく破壊されたせいで王都が荒野になっていたこと、後にはその経験を共有した戦友のヘルムートが死んだことを、ヴェルトは理解こそしていたが現実感を伴って受け止めることはできていない。「気づいたら一人になってしまった」喪失感、思いがけず再会した魯蔭がレオンハルトの混沌に侵され苦しんでいたことへの心配、反英雄討伐後の復興へ寄せられる期待と責任、など次々に訪れる大事を優先し続けてきたヴェルトは、悲しい出来事を事実と理解しつつも「現実だと感じられていない」という異常な状態のまま15年以上を過ごしてきた。普通なら感じるであろうその悲しみや絶望を未来への想いへ昇華するという以前に、トラウマを抱き、孤独を感じることすらヴェルトにはできていないままである。

※異聞の激動と同時期、正史ではヴェルトはジュリエットくんと商人街ウィリアを任されており、比較的気楽に悠々と過ごしている。また、ポテンシャルが高く強靭な精神力でこれまで困難を乗り越え続けることができたために、トラウマらしきものを持ち合わせていない。

 ヴェルトはそのヘルムートの面影を獄卒長カサルに見出し、やがてそれがヘルムート本人なのではないかと根拠なく疑いはじめてからは、それを確かめ生前のことを彼に謝罪し、彼と以前のように語らいたいと思うようになった。その想いがヴェルト本人の自覚する以上に強烈であることが原因で、ヴェルトは無意識のうちに煉獄への未練を強く抱いており、それが煉獄に精神を繋ぎとめる枷となってしまっている。

 肉体が死んだ場合は生前の罪(正義のためとはいえ人を殺めている)により、煉獄に送られるであろうことをヴェルト本人も自覚・想定している。そのため「そろそろ本当に帰れなくなるのではないか」という焦りと迷いから積極的に煉獄パンドラに干渉することをやめ、帰還することを最優先に考えはじめたものの、無意識、無自覚のうちにヘルムートに抱く強力な想いを断ち切ることができず、現世に帰ることができていない。

(~2017.11.11時点)


====以下余談====

※正史ヴェルト:アマテラス(=王太子である姉(兄)のトレラント)が健在であるため、国の中核は任せて比較的気ままに過ごしているツクヨミノミコト
≒古事記

※異聞ヴェルト:動乱の中でアマテラスやイザナギらが死んでしまったため、代わって国を治め守らなければならなくなったツクヨミノミコト
≒異聞古事記(そんなものはない)

 それぞれのヴェルトの物語は正史古事記と異聞古事記のオマージュである(意味が分からない)。つまりモルゲンロートはifの日本である(意味が分からない)。
 分かるよって方だけ寛大な心で察してください。

 ところでスサノオに相当する三男がいて、将来的にモルゲンロートとベルンシュタインとの関係が悪化したときに戦争で自ら先鋒をつとめるというメタメタ古事記の世界線がある。因みにこれはスサノオの母を訪ねて根の国へ伝説のオマージュでもある。
 メタメタ古事記……そんなものもあるのか……(ないです)。



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