"ブレードパルス"

★公開情報

 セグレートに所属する男性オーヴァード。
 自分のことをよく「オルクスの落ちこぼれ」と評している。

 触れた生物の任意の箇所に裂傷を負わせる能力を持つ。数秒触れていれば人体をバッサリと切断することも可能。
 元FHのエージェントであったが、数年前にスカウトされてセグレートのメンバーになった。粗野な言動が多く、他のメンバーには距離を置かれがちで、信用されてすらいない場合もある。

 よく前線で戦闘に参加する姿が目撃されている。
 共闘したことのあるメンバーは少なくないだろう。

★非公開情報

 24歳。本名は明海沢 雅斗(あけみざわ まさと)。身長175cm。
 オルクス/ノイマンのオーヴァードで、実は前線での戦闘は苦手。
 どちらかといえば、《剣》の強みはその頭脳であり、精神力である。

 戦闘能力として有用なのは固有能力:ブレードパルス程度である。また、自分で評しているように、オルクスとしては並のオーヴァード以下の能力しか持ち合わせておらず、落ちこぼれという自己評価は大袈裟ではない。ブレードパルスという能力のインパクトが強力すぎるがため、また、ブレードパルスの正確な効果を知る者がない(《剣》本人が隠している)ため、前線の戦闘力としてカウントされている。

 加えて、ブレードパルスには効果の制限があり、周囲で推測されているように「触れれば斬れる」ほどの威力はなく、万能ではない。《剣》本人が”触れている”と認識しなければ発動しないため、意識がないと使用が不可能である。また、発動には対象の素肌に触れる必要があり、殺害には5秒程度触れていなければならない。

 自分の触れた生命体の、その命の領域を脈動を通じて自分の領域に書き換えて、領域ごと断ち切るというのがブレードパルスの正確な効果。切断に必要な5秒という時間、そして素肌同士が触れていなければならないという制約は、普段は自分だけを内側としている領域を外部へ広げるために必要な要素である。もし《剣》が優秀なオルクスなら、接触していなくても一瞬でその作業を行えた、かもしれない。

 ブレードパルスは生まれつきの能力ではない。
 長年にわたり虐待を受け、母親のヒステリーから死の淵へと追いやられた際に、「母親を殺して、自分を生かす」ことを強く望み選択して得た必死の絶叫が、ブレードパルスという力である。自分の首を絞める母親の手を掴み、まずはその手を、続けてその首を――
 事件当時、11歳。
 直後にFHのエージェントに保護されて育ち、セグレートに引き抜かれたのは成人直前のことであった。

 「死にたくない」。「死ぬなら俺だ」。
 誰よりも強く生を望みながら、誰よりも自己犠牲を厭わない、矛盾の塊。
 誰かから強く生を望まれ、誰かから自己犠牲を拒む心からの願いを聞いたとき、
 《剣》は溢れそうな涙をこらえ、穏やかに笑ってみせる。




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